桜井市ガストロノミーツーリズム事業の実施
昨年から今年にかけて、桜井市農林課とNAFIC附属セミナーハウス「ホテル奈良さくらいの郷」が協同で、「桜井市ガストロノミーツーリズム事業」を開催し、NAFIC周辺賑わいづくり協議会も、農業体験の部門で一部ご協力させていただきました。
「ガストロノミーツーリズム」と聞くと、馴染みがない方も多いかもしれません。
観光庁によると、ガストロノミーツーリズムとは以下のように定義されています。
“「その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズム」であり、地域の伝統や多様性をサポートするだけでなく、文化の発信、地方経済の発展、持続可能な観光の実現等にも資するものです。“
簡単に言うと、“その地域特有の風土や文化を、食を通じて感じる旅行”、といったところでしょうか。
近年注目を集めている考え方であり、「その場所に行った」「美味しいものを食べた」という単純な”モノ消費型”の観光スタイルではなく、「地元の農家の方と交流した」「地域特有の料理を教わった」といったような、自ら体験するような”コト消費型”の観光スタイルの一つであります。
昨年、奈良県では世界大会も開催されました。
観光庁報道資料「日本の食文化を世界に発信!食と観光の世界大会を日本初開催!~UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラムin奈良~」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news07_000144.html
さて、そんなガストロノミーツーリズムですが、桜井市で開催された内容としては、「ホテル奈良さくらいの郷への宿泊」「いわれの地域での農業体験」「地元料理人による料理教室」がセットになった、贅沢なツアーとなっています。
ホテル奈良さくらいの郷に宿泊された方を対象に、昨年秋に2回、今年に入ってから2回と、計4回開催され、茄子農家の榮永さん、大根農家の藤本さんがご協力されました。
前段が長くなりましたが、それぞれ「秋の部」「冬の部」に分けてレポートします。
【秋の部】
まず秋の部では、高家地区の榮長さんの圃場をお借りし、夏秋茄子の収穫体験を行いました。
我々が普段食べている茄子は未熟の状態であり、完熟のものは種を採取するだけで食べられるものではないことや、茄子の栄養素を活かしたおすすめの調理法、生産する際のこだわりなど、様々なお話をお聞かせいただきました。
収穫の際は、茄子を傷つけない収穫方法をご指導いただきながら、楽しくワイワイと収穫しました。
料理教室は、桜井市桜井で活魚・ちゃんこ店を営む「一語一笑」さんにご協力いただき、収穫した茄子以外にも、様々な桜井産の農作物を使った料理をご指導いただきました。
一語一笑 ホームページ
https://www.smilehouse2525.com/
調理方法だけでなく、日々の料理に対する向き合い方など様々なアドバイスを、軽妙なトークを交えながらお教えいただき、最後まで笑いの絶えない教室でありました。
・栗入り炊き込みご飯
・豆腐と揚げの味噌汁
・茄子のオランダ煮
・茄子の田楽
【冬の部】
続いて冬の部では、同じく高家地区の藤本さんの圃場をお借りし、大根の収穫体験を行いました。
切干大根用に作っているため、一般的なものより非常に太い大根であること、寒い時期の凍てつきを防止するために収穫前にはビニールシートを被せて防護することなど、生産者ならではのお話をお聞かせいただきました。
1月の凍てつく寒空の下行いましたが、お話通りのものすごく大きい大根に、参加者一同大盛り上がりでした。
料理教室は、秋の部に引き続き一語一笑さんにご指導いただきました。
一語一笑さんには事前に大根をお渡しし、下茹で等の仕込みをしていただきましたので、味がしみ込んだ美味しいふろふき大根をいただくことができました。
・大根飯
・なめこと揚げの味噌汁
・切干大根煮
・ふろふき大根
・大根サラダ
秋の部、冬の部ともに、参加者の方からは非常に好評いただき、「来年もやってほしい」「違う野菜も収穫してみたい」など、様々なお声をいただきました。
今後もいわれの地域を盛り上げるべく、様々な企画にチャレンジしてまいりますので、地域の皆様も是非ご協力をお願いいたします。